第11話:フライト式ドラフトの大会に出場しよう!
日曜日!待ちに待った休日!
社会人になると休日をどんな風に過ごすかが結構重要だったりする。
体力回復の為に体を休めるもよし。趣味に没頭するもよし。
家族サービスに徹するもよしだ。
……まぁウサギさんの場合、サービスする家族もいないのでその必要はないのですが。
ウサギさんは仕事関係でたまに土日が潰れてしまう事があるのですが、通常はカレンダー通りなので休日の大きな大会にも出場する事ができます。
しかし、ウサギさんは遊んでバッカリいるわけでもなく、日曜日は色々と習い事なんかをしてます。
その後は基本的に真っ直ぐ帰るのですが、今年はモダンのデッキを1つ以上作る事を目標にしているので、参加可能な限りMTGの大会に出るよう頑張ります。
そんなわけで帰りがけに晴れる屋さんに寄る事に。
さて、ここ晴れる屋さんは毎日のようにブースタードラフトを遊べる素晴らしいお店ですが、土日祝日は少し大会のルールが変わります。
土日は8人参加型のフライト式になり、人数がそろった段階でドラフトがスタートします。
そしてここが重要。
平日はスイスドロー方式(勝っても負けても3回勝負が出来る)なんですが、土日の場合はトーナメント方式(勝ち抜きで、負けたらそこで終了)になります。
そして景品も変わり平日なら「3-0で1500PT」「2-1で500PT」のところ、
土日は「優勝で最新ブースター4パック」「2位で最新ブースター2パック」「初戦を勝てれば最新ブースター1パック」
という感じの景品になります。つまり何が何でも勝ち続けなければいけないわけですね。
デメリットの様にも感じますが、実際のところ土日祝日は人がスシ詰め状態になるので致し方ない処置なんでしょう。
まぁ反対にフライト式がゆえに初戦で負けてもメンツがスグに集まればおかわりドラフトを何回でも出来るといったメリットもあるので、ドラフトするのが好きな人にはお勧めかもしれません。
さて、そうは言っても出来れば勝ちたいのが人情。できれば今日も強いデッキを作りたいぜ!
まず、ゲット出来たレアはこちら。
……で、出来たデッキがこちら。
……あ、お気づきですか?
そう、今回はコントロールっぽいデッキを作りました。
1パック目でタコ先生が出てきたので、とりあえずピックしたのが始まり。
シミックに行くか、アゾリウスに行くか迷いながらピックをしていったんですが……青いカードしか流れてこない!
そう!このデッキ、実は殆ど単色のカードだけで構成されています。
実は写真には写っていないのですが、やろうと思えば青単でもデッキが構成できるだけのプールを確保できました。
ただ、青1色にしてしまうと、出来る事がかなり限られてしまう上、この環境だと単色はやっぱりパワーが弱い。
お情け程度に流れてきたアゾリウスのカードを足して何とかこのコントロールデッキは完成しました。
後でわかった事だが、右隣の人もアゾリウスを作成していたんだそうな。
ウサギさんが青よりコントロール。隣が白よりビートダウン。
まぁ色が被ったけどそれなりにデッキになったのは求めていたカードが綺麗に分かれたからなんだろうなぁ。
一応はクリーチャーを並べて殴り、邪魔なクリーチャーはバウンスするといった戦いが出来るように構成したつもりだけど、このデッキにはもう1つ勝ち筋が。
そう、4枚ピックできたアドバイザーとライブラリーを4枚墓地に落とす2枚の壁の存在。
普通はライブラリーアウトを主体としたデッキを構築環境で作ろうとするとかなり大変です。
当然60枚のライブラリーを削るよりは20点のライフを攻めた方が楽だったり、相手が墓地を参照するカードを多く入れていた場合は自分の首を絞めかねないからです。
例えば「プテラマンダー」や「グルマグのアンコウ」なんかは代表的。
え?エムラクール?……まぁまぁ。しかし、リミテッドにおいては少し事情が変わります。
全員が満足にカードを揃えきる事は出来ないし、なによりライブラリーは40枚スタート!
そこから7枚カードを引くと残りは33枚!
仮に1枚のカードを使って4枚墓地にカードを送るなら、かなりのカードリソースを削ぐことが出来ます!
どんなに強いカードも引けなければ唱える事は叶わないし、もう絶対に引けないと分かれば相手の動きは更に拘束される。
これは諸刃の剣でもあって、相手がサイドボードを投入する際、ピックしたカードを何でもかんでも投入してきたり、かさましに土地をガンガン入れてくることも予想されます。
ドラフトは40枚以上のデッキであれば良いので、かさましして50~100枚のデッキにする方法は決して悪い手ではありませんね。
なので、完全にライブラリーだけを狙うのではなく、普通にクリーチャーで攻撃するのが前提で、あくまでライブラリーへの攻撃はサポートとして。
いざ勝負!
1戦目!相手はラクドス!(黒赤)ちょっと重めなミッドレンジっぽいデッキ。
クリーチャーで攻撃して、相手のクリーチャーはバウンス!これのくり返しだ。
よし!勝利!相手がサイズの小さいクリーチャーをあまり引けなかったのが勝因ですね。
2-0でキレイに勝てました。
2戦目!相手はシミック!(青緑)綺麗な飛行クリーチャーでのビートダウン!
……つ、強い!壁もアドバイザーもブロックに参加できない!
何よりも厄介なのがプテラマンダー!
こちらのデッキと相性が抜群なカードがガンガン攻めてくる!
……が、しかしだ!時間を稼ぐカードはこちらが多い。長引くほどにこちらは有利!
相手の占術後にアドバイザーがライブラリーを破壊する!
ちょっと微妙なところだけど、簡易なソフトロックができるのは心強い。
「占術しまーす……トップで」「じゃあそれを墓地に置いてください」
しかし!あと1回プテラに攻撃されたら負ける!
ここでの回答はデッキにもう1枚眠っている壁を引くのみ!
でや!……引けたぜ!おっかさん!
「壁で4枚!アドバイザー3体で3枚墓地に置いてください。ターンエンドです!」
勝ったぜ!副次的な勝ち筋も用意すると意外にも決まってくれるのがリミテッドの醍醐味ですね。
2-1で辛くも勝利。熱い戦いでした。
3戦目!相手は再びラクドス!軽め~中型クリーチャーで構成されたスライデッキ!
接死を持っているクリーチャーや接死を付与する呪文がメチャクチャ多いぜ!
正直、このタイプが一番当たりたくなかった。
実際、クリーチャーの質は相手の方が上。マナコストも安いのでバウンスしてもスグ出てくる。
壁やアドバイザーの最大の利点である高いタフネスも接死には敵わない。
くっ!でも頑張るぜ!ライフが攻めれないなら山札を攻めていくプランに変更だ!
壁でブロック!ブロック指定後に壁をバウンス!自分のターンで再度召喚!
ねばりにねばって相手のライブラリーは残り8枚!
場にはアドバイザーが3枚!…次4枚目が引けるならこちらの勝利だ!
……が引かない!そうそう都合よくアニメの主人公にはなれんか。
仕方ない。こちらもライフが少ないから次はアドバイザーを犠牲にするしかないか。
それでも最低3枚は墓地に送れるので次のターンにかけよう。
相手のターン……相手のドロー!……対戦相手が笑いをこらえられないようだ。
「ウサギさん……今回は僕の方が引きが強かったですね」
(じつは対戦相手は知合いだったのだ)
「…何引いたの?このターンで完璧にとどめを刺すならアドバイザーを3人とも倒さないと無理でしょ?」
確かにこの環境には「ケイヤの怒り」「燃え立つ門」が存在する。
しかし相手は純粋な赤黒だ。ケイヤの怒りは打てないし、戦場には門すら出ていない。
仮にできてもオセオセ有利な状況で自軍のクリーチャーを巻き込む意味も無い。
精々が、対戦相手のクリーチャー全体に1点のダメージを与えるトカゲがドラフトの時に流れていたくらい……まてよ。
「まさか!」
「たぶん想像通りですw」
「くっ!」
「トカゲを召喚!対戦相手のクリーチャー全てに1点のダメージを与える能力にスタックを積んで、こいつに接死を付与します!」
ドーン!!!
接死を持つクリーチャーがダメージを与える場合、致死ダメージに達していなくてもそのクリーチャーは死亡する。
しかもそれがこちらのコントロールする全てのクリーチャーという事は、つまり……こちらだけ全滅!
「負けました……」
いっそ清々しい負け方だ。
いや~ドラマです。これがあるからMTGは辞められないですね。
0-2か。でもまぁ頑張ったでしょうよ。